アレルギーには準備段階がある
ところで多くの花粉症患者は、はじめて花粉を吸ったとき、すぐに花粉症を発症したのではありません。アレルギーはあくまでも免疫反応ですから、最初にアレルゲンが入ったときに反応を起こすことはありません。
アレルギーは発症するまでに準備段階があります。アレルゲンが最初に侵入すると、それに対する1gE抗体がつくられます。そして、抗体はマスト細胞と結合します。マスト細胞には抗体がいっぱいくっついています。私はこの状態を「マスト細胞が抗体にまぶされている」と呼んでいます。
医学的にはこの状態は感性と呼ばれます。次にアレルゲンが侵入したとき、アレルギー反応を起こす準備ができた状態をいいます。つまり、感作の段階をへて、花粉症を発症したのです。
もしかしたら、あなた自身もすでに感作の状態にあって、いつ発症するかわからないのかもしれません。あるいは今後も発症せず、一生花粉症とは無縁ということもあります。
発症した人からしてみれば不公平だと思うかもしれませんが、アレルギーとはそういう病気なのです。
マスト細胞に結合しているのは、もちろん1gE抗体です。5種類の免疫グロブリンのうち、いちばん遅く発見されたのは1gEです、発見者は日本人のれ坂公成・照子夫妻で、1966年のことです。実はこの1gEは、血液中にほんのわずかしか存在しません。数がもっとも多いIgGと比較すると、10万分の1程度の微量しか存在しこごいようです。しかしこれはアレルギーをもっていない人の場合です。アレルギーをもっている人では、血中のlgE濃度が高いことがわかっています。