ヘルパーT細胞には2種類ある

ここまで読んできたみなさんは、免疫システムの基本的な働きとアレルギー発症のメカニズムについて理解できたと思います。これをベースに もう少しくわしい領域に立ち入ってみましょう。

前述したように、ヘルパーT細胞は免疫システムの司令官のよような役割をはたしています。細菌やウイルスなどの外敵が侵入してくると、マクロファージやキラーT細胞などに指令をだし、それらを殺すように命じます。また、B細胞には外敵をキャッチする抗体をつくるように指令をだします。

厳密にいえば、ヘルパーT細胞がマクロファージやキラーT細胞などにだす指令と、B細胞にだす指令は同じではないのです。

さて、ヘルパーT細胞は実際にどのようにして指全をだすのでしょうか? ヘルパーT細胞は、指令を伝える役目をもったたんぱく質を使うのです。そのたんぱく質はサイトカインと呼ばれます。サイトカインは、細胞から細胞へ情報を伝達するたんぱく質なのです。

ヘルパーT細胞は「A病原菌が侵入してきたので、キラーT細胞に殺させるべしとの指令を伝えるサイトカインをつくります。すると、サイトカインはキラーT細胞のもとに走ります。キラーT細胞はそのサイトカインと結合する受容体をもっていて、サイトカインと結びつきます。そうすることで、「A病原菌を殺すべし」という指令がキラーT細胞に伝わり、細胞は指令を実行するというわけです。

ヘルパーT細胞がマクロファージやキラーT細胞などにだす指令と、B細胞にだす指令が違うと書きましたが、それはヘルパーT細胞のつくるサイトカインの種類が違うということです。

つくられるサイトカインの違いによってヘルパーT細胞はさらに2種類に分けられ、それぞれTh1細胞、Tn2細胞と呼ばれます。

Th1細胞のおもな働きは、細菌感染を防御することです。マクロファージは細菌を食べてしまいますし、キラーT細胞は感染細胞を殺します。ですから、Th1細胞はこれらの細胞を働かせなけれはなりません。そこで、それらの細胞に指令を伝える物質、サイトカインをつくります。

Th2細胞のおもな働きは、抗体をつくらせることです。そこで、B細胞を働かせるためのサイトカインをつくります。